【スマホ】退廃思考【星野一人】

【 退廃思考 】

星野一人さんによるシナリオ、そして一ノ瀬才子さんによる、生きるのに疲れた方への、「読む処方箋」…。
100を超えるショートストーリーが貴方のために語られます。

リリース前からとんでもなく話題になり、マジでリリースするのかと危険視されつつもリリースされ、それなりに平穏にゲームが運営されていたと思ったら、突如関係者に連絡もなくゲームが終了した…という伝説のソシャゲ「妖怪惑星クラリス」のシナリオライターさんの個人作品です。
私は妖怪惑星には赴かなかったのですが、めっちゃカオスなシナリオだとは伝え聞いておりました。
が、こちらは…

*5月29日、一連の騒動について大幅追記しました
このゲームの配信は終了しています。


先日、5月2日にリリースされたばかりのアプリです。
リリースされましたのお知らせを見て即DLして遊び、感動したので、極力早くレビューをお届けしたかったのですが、連載記事の連続更新があったのでちょっと遅れちゃいました。

協力は一ノ瀬才子さん。Vtuberの方です。画面に出てくる少女がそれです。
Vtubarと言っても、このゲーム画面では、ポーズが切り替わる程度で動きませんし、ボイスがあるわけでもありませんが…
ちなみにゲームの完成祝いに、一ノ瀬さんは星野さんにポルシェを贈っていました。いみわかんない。
*ポルシェの件については記事の最後に追記しています

このゲームでは、彼女がストーリーテラーとして、こちらに様々なお話を聞かせてくれます。語られるお話は、なんと100を超えているそうです。

まず、ゲーム開始時に簡単な質問に答える必要があります。
これに答えることで、話を聞かせてくれる順番が変わるのかもしれませんが、どういう変化が起きるのかはわかりませんでした。
回答するにはつらい質問も多いですが、彼女は静かにこちらを受け止めてくれます。

彼女が語ってくれる物語は、どこか優しく、どこか冷たく、どこか苦しく、そしてどこか暖かい。
1つ1つの物語は、本当に短編で、読むのに1~2分程度のものも多いです。
ただ、どこか考えさせられたり、深く胸に残るものが多く、プレイ時の体感時間はもっと長く感じます。

彼女が語るのは、とある詩人の結末。不思議な薬物で鳥になった者の末路。突然二人に増えた同僚…
淡々と、それでいて柔らかいテキストで綴られる世界は、とても美しい。
背景のイラストもどこか心に残ります。

5話ごとに広告が入るので、そのタイミングで箸休めをしつつ、ゆっくり読み進めるくらいのペースがちょうどいいかも。
100話以上入っているとのことなので、もし毎日5話ずつ読み進めたとしても、20日以上読んでいられるんですよ… これが無料でいいんでしょうか。

ギャラリーからシーン回想することで、任意の物語を再度読むことができるのですが、物語のタイトルが出ているわけではなく、背景グラフィックから予測して開くことしかできないので、うっかりその時読みたいものとは違う物語を再生しちゃうことがあるのはちょっと不便ですが…
たぶん、使っているシステムの都合上、タイトルを出すのも難しいのかなと思うので、仕方ないかな。

本当に良作です。
ショートショートを読むのが好き、という方にはたまらないと思います。
ここで綴られている物語は本当に美しい。それでいて退廃的で、確かに私たちを癒してくれています。

何とも不思議な空間に浮かんでいるかのような、そんな世界がここにはありました。はい。

と、まあ公開当時のレビューはここまで。

◆ここでこの作品に起こった一連の騒動について、軽くまとめておきます。
まず作者の星野さんが「一ノ瀬さんからポルシェを貰った」として、ポルシェと鍵の写真、そして一ノ瀬さんとのLINE会話ログを公開します。
そのログは、「ポルシェなんていただけません」と言う星野さんに「ヴァーチャルな世界から持ってきたポルシェだから気にしなくていい」「じゃあこうしよう。君は川で洗濯をしているとポルシェが流れてきて…」などと一ノ瀬さんが発言する記録が画像として投稿されています。
そこで一気にツイッターで話題になり、ゲームのDL数も大きく上昇、一ノ瀬才子さんのYouTubeでのチャンネル登録者数も増加します。
さらには、ねとらぼさんにも取材され、アプリを出したらポルシェが飛んできた、として記事にされます。ここで、ねとらぼさんは、星野と言う人物、そして一ノ瀬というVtuberとして、二人の人物として個別にインタビューしており、インタビューの間にも、二人が同一人物であるとは明かされていません。
が、ここでネタ晴らし。
実際は、Vtuber一ノ瀬才子は、イコール、星野一人だったのです。
つまり、もともと所有していたポルシェを、いかにも新たに貰ったものかのように見せかけた虚偽の投稿をし、インタビューにも虚偽の内容を答えたわけです。
こんなことをした理由は、「ユーザーがVtuberに贈り物をすることは多いが、その逆をしたらどうなるだろう」という簡単な実験をしてみたかったから、だそうです。
その結果は、チャンネル登録者数増加、ゲームが一時的にランキング上位に入るというもので、輝かしいものではありましたが… もちろんすべて虚偽、まやかしでしたね。
実際、そのネタ晴らし動画には「不快な評価」がたくさんついていましたから。

チャンネル登録者した人物もここで離れていきそうな気がしますし、ゲームをDLした人がその後、このゲームを遊び続けたのかどうかも不明です。
ちなみに私はこのネタ晴らし後から、いちいち不快なことを思い出してしまい、起動できなくなりました。
一ノ瀬さんが、協力者、でしかないわりには、ゲーム制作に大きくかかわっているかのような発言を繰り返していたのをちょっと不思議に思っていたのですが、まあそれは当然ですね、だって作ってる本人だったんだもん。

ゲーム自体は良作ですが、それはそれとして、ユーザーを騙す発言を繰り返し、話題になろうとしたことについて、私は怒ってます。
作者の人間性からゲームの評価を揺るがせるのも問題ですが、かといって、ユーザーを騙し、虚偽の話題性によりゲームの評価を伸ばそうとしたのは事実ですから。

まぁ実験したくても嘘はよくないね、嘘は。
生きるのに疲れた人間への処方箋のはずが、この騒動で一気に疲れたわ。

このゲームの配信は終了しています。

ところで妖怪惑星クラリスって何だったんだろうね? 集団幻覚の類だったんじゃないかと思ってるんだけど。

*画像はすべて星野一人「退廃思考」より

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