【Win/ブラウザ】予命【えいじゃー】

予命【 予命 】

以前レビューした、「Evepulus」のえいじゃーさんによる短編集。
前作と同じく、アンドロイドのお話であり、短編が4編入っています。

これはかなりおすすめできます。明るい話もあり、反面辛い話もあり…。

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余命僅かになった自分。
この時代には、家族の死を看取る慣習がなくなっており、主人公は一人寂しく死を迎えようとしていたが、そこにアンドロイドの少女が現れて…


そんな話から始まる、アンドロイドをテーマにした4つの短編です。
いつか有り得るかもしれない、そんな未来。
短編なのですが、人間側の感情も丁寧に描かれていて、実に読みごたえがあります。

予命余命僅かな貴方の手を握るアンドロイド。
もはや声も出せない貴方に対して、明るい声で話しかけてきますが…
残り僅かな貴方の命に寄り添う、アンドロイドの明るさと暖かさに、貴方は静かに終わりを迎えます。

優しい嘘をつくアンドロイド。
でもそんな時代だったら有り得る話かもしれませんね。

予命楽器の販促のために、ピアノを弾くために作られたアンドロイド。
主人公の務める店にも、このアンドロイドが導入されましたが、主人公はこのアンドロイドに対して、言い知れぬ暗い感情を描きます。

アンドロイドたちは、いずれ人間の仕事を奪うのかもしれません。
もちろん、まだまだ先の時代であろうとは思いますが、でももうお寿司屋さんの呼び出し係にロボット導入しているところもあるしな。
そして人間はそれに対し、人どんな感情を得るのでしょうか。

予命それは可愛らしい恋でした。
「駆け落ちしよう」と、主人公はとあるビルの受付アンドロイドへとプロポーズする。
笑顔でそれを受けてくれたアンドロイドですが…

人間並みに繊細な心を持つアンドロイド。
アンドロイドが心を持つことなんてあり得るのでしょうか?
だけど作り物だとしても、恋愛を感じて、主人公の言葉に頷いた彼女は、確かに心を持っていたのだと思います。

予命痴呆症になった母親の世話を、アンドロイドに任せた家族。
母親が死んで、アンドロイドと母とのやり取りの映像データを確認する家族…

一番、いつか有り得そうだと思ったのがこのお話。
介護用アンドロイドなんて、とても需要もあることでしょうし…

そんな4つの短編が入っている本作は、メカバレやアンドロイドが好きな人にもたまらないと思うし、そうじゃない方にも是非読んで欲しい、いろいろと考えさせられる作品でした。
えいじゃーさんによる、さらさらとした絵柄もゲームの雰囲気に合っていて実に良かったです。
「Evepulus」ともどもお勧めです。

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*画像はすべてえいじゃー「予命」より

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