幼いころから、枢の世話役のようなことをしてきた目々。
枢は発達障害で、一人では何もできず、いつも目々の助けを借りてきた。
今日も勉強をせずに、ずっと自分のことを話してばかりいる。
枢はいわゆる配信者のようなことをしており、ちょっとアダルトは配信をしては、コメントをもらって商人欲求を満たしている。
ましてや、視聴しているユーザーと会っては性的な行為をして、お金をもらうようなこともしている。
アンチコメントが来ることがあっても、自分が可愛いからだ、と思い込むようにして、気にしないようにしているという枢。
だけど、そのアンチコメントを書き込んだのは、実は目々であるということには、まったく思い当たらない枢…
目々なんて嫌いだ、と言いつつも、それでも結局その日にはまた目々のところに駆け込んで泣く枢。
だけどそれすらも目々の仕組んだこととは思いもせずに。
そう、すべては目々が、枢が自分だけを見ればいい、と思って行っていることなのだ。
とはいえ変なところでかたくなな枢は、目々の思い通りに行動をしてくれることはなく、目々がしくんだことで傷ついても、結局はまた承認欲求のために脱いで、視聴者を喜ばせるような言動を繰り返す。
自分の言葉で満たされてほしい。
見も知らぬ誰かの言葉で承認欲求を満たすようなことをしなくてもいい。
だけど、ひび割れたガラスの器で出来た枢のココロは、目々の言葉や行動で満たされることはない。
目々は、もうすべてを壊してしまってもいい、という覚悟で行動に出ますが…
だけど壊れたのは…
なんとも切ない物語でした。
目々は、自分の言葉で満たされないというけれど、だけどやはりずっと言葉が足りなかったのに、なのにまるで枢のせいみたいに思い込んでいて。
それって結局、目々は発達障害の枢を見下している部分もあったんじゃないかな、と思ってしまいます。
そういう部分があったからこそ、枢は目々の言葉をずっと受け入れなかったんじゃないかなとか考えてしまいます。
だけど自分の命をかけてでも、それでも枢を壊したいと思った、そんな目々の気持ちは、愛だったのでしょう。
それは生半可なものではなかったはずです。
ただ、それはあまりにも歪んだ愛情で、それゆえにすれ違ってしまったのでしょうね…
苦しいお話でした。
グラシアスさんの巧みな心理描写は本当素晴らしいですね。
アダルトシーンで、目々の言葉に反応する枢が可愛かったな。
それにしてもこのヘアピン可愛い。
お揃い。
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*画像はグラシアス様「ヒビワレガラス」より
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