僕には、妹がいる。
子供のころは疎ましく思っていた妹・加奈。
ところが両親と4人で出掛けたピクニックで、加奈が遭難する。
そんな加奈を探し、助けたことで、主人公には、妹を守らなければ、妹を守りたい、という感情が芽生える。
それ以降はずっとずっと大切にしてきた妹。
その感情がどういうたぐいのものであるのか、自覚もせずに。
キャラクター名が出て、そのあとにセリフが出る、というタイプのAVG。
少しシステム的には古い感じがします。
自分が兄の重荷ではないのかと悩む加奈。
古いゲームらしく、シナリオの総量はそうでもありませんが、キャラクターの心理が丁寧に描かれています。
また、イベントスチルも豊富で、かなり頻繁にCGが切り替わります。
主人公が、兄としてすごく立派。
ちょっと大人げなく、加奈に近づく男を追い払ったりすることもありますが(本人は加奈のためであると信じてますが、別の選択肢で彼を認めた場合、ちょっと嫉妬するシーンがあるので、つまりは認めないルートは「追い払った」という言い方が間違いじゃないと思いますw)、加奈の意思を尊重し、加奈のためなら自分をいくらでも犠牲に出来る。
その犠牲が正しいものなのかどうかはわからないけれど、誰かを大切にしようとして、ここまでできるというのは素敵なことだと思いました。
主人公はうまく泣けない男で、後になってからわーっと泣くタイプなのですが、その泣くときの感情の動きが丁寧で、結構グッときました。
描写の方法で、加奈はやや口数の少なめの女の子ですが、「ふるふる」「こくん」などの擬音語・擬態語がセリフに混ざるのが多くて、ちょっと気になったかな。
すぐ慣れましたけど。
加奈は病室で本を読んでるシーンがとにかく印象的でした。
サブヒロインの夕美は、主人公を押し倒して積極的にアプローチします。
この子の存在は重要ではありますが…正直そこまでストーリーに絡む必要があるのだろうかと思った部分もあります。
この子のルートもありますが、それでもあくまでもヒロインは加奈なんだよなあ。ちょっと不憫。
駄目駄目よお、な看護師の美樹さん。悲壮になりがちな病院のシーンを、ややコミカルに演出してくれたキャラクターです。
ただこんな看護師がリアルでいたらイヤだなあw
ちょっと弱い人なんですよね。美樹さん。
主人公の友人の悪ガキ3人組(小学生時代)。
正直、そこまで出番がなかったのは残念。正直なんで立ち絵があるのかわからない程度の出番です。いいキャラなんだけどなあ。
夕美や勇太、そしてこの三人も、個性は強いものの、サブキャラはいまいちうまく描写されないままに終わってしまった感じがあり、残念ですねえ。
美樹さんの「魔法で治してあげる」のセリフも意味付けがないものであったような。
まあでも加奈と主人公ふたりのためのお話なので、まぁそれでいいかなーという気もしますけれど。
なのでぶっちゃけると死んじゃうルートのほうが好きです(
選択肢によって、加奈が活発になるか、知的になるかが変わり、知的になると日記をつけ始めるのですが、そのルートが一番好きでした。
加奈はたしかにかわいそうな女の子だけど、だけど悔いなく生きたと言い切る姿はかっこよかったですね。
あと夕美の存在は主人公にとってどうなのかが、かなり優柔不断なのがヤキモキしました…というか夕美も夕美で、自分から押し倒しておいて、もてあそばれた―とか言うんだから、女ってズルいわー、怖いわー。
とりとめないですが以上です。レビューというか普通に感想記事になっちゃいましたがたまにはいいよね。
古いゲームなので最新PCでは動かないのですが、Win7対応のDL版だとどうなのかな?
ちなみにフルボイス化したリニューアル版も出ています。
リニューアル版の「おかえり!」というサブタイトルは、主人公と加奈の病室でのやりとりが元だと思います。いいよね、あのちょっと印象的で、不思議な挨拶。
*画像はすべてD.O.「加奈~いもうと~」より
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