【Win/ブラウザ】主役になれない僕たちは花壇で蛙を潰すんだ。【グラシアス】

一億人に一人という美貌、と、もてはやされた子役の常盤。
つまりその美貌は、日本の総人口から考えて、ほぼ日本で一番の美貌ということだ、と、夏也は話しに乗せる。

そんな常盤はなんということもないこの学園で、今は夏也とともに美化委員として花に水をあげている。
まるで物語の主役のような常盤は、どうあってもモブでしかありえない夏也とともに、こんな風になんて事のないいち登場人物のようにふるまう。
だけど夏也は、物語の主役になりたかった。

–　どうして俺の前に現れたりしたんですか？　–

そんな問いかけがあまりにも残酷で、だけど痛いほどにわかるその感情。
人間はだれしもその人生の主役、なんていうのはただの欺瞞でしかない。
世界の主役になりたい！　そう叫びたくても、だけど何をやっても平凡でしかない。最悪な成績を取るわけでもなく、運動でビリになるわけでもなく、だからと言って一番にもなれない、あくまでも平均的な夏也。
幼いころに、ほかにだれもやっていないようなゲームで勝ったところで、一時的な快感しか得ることはできなかった。
そんな感情すらも痛く刺さる。

そして主役になりたいという感情はあまりにも暴力的に発露するけれど、だけどもそれでも結局夏也は主役にはなれない。
夏也は、あまりにも中途半端で平凡だから。

これはあまりにも残酷な物語でした。
逆にねー、これ、考察するのも野暮かなって思ってこれ以上は掘り下げない。
なんでかって、もうこれ受け止めた通りの感情が真実だって思ったから。
だからこの刺さる物語を、ぜひ体験してほしい。
これは紹介で終わらせたくないです。
実際に体験してほしいんです。
残酷で、それでいて滑稽な夏也の踊る姿を見てほしい。
5分ほどの短編です。ブラウザからも遊べます。
ぜひプレイしてみてください。

しかしグラシアスさんの美少年はマジで美少年なので世界がうらやむ。