【Win】A martyr -ア・マーター-【アバラヤ】*18禁

貴方は一人の理想に燃える若き司祭。
廃墟となっていた教会を建て直し、そこで子供たちの面倒を見ては、きちんとした教育を施し、里子に出したり、教育機関に送り出す、ひとかどの人物。

…だけど。
お金がなければ、子供たちにとても教育など施せない。
満足な食事も与えられない。
果たして、わずかな寄付金のみで、子供たちの面倒を見ることなど可能なのだろうか。

否。

神への祈りも、おのれの信仰も捨て、その手を汚してでも、男は救済の道を選んだ。

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「A martyr」とは「殉職者」を指す言葉になります。
その名の通り、ストイックに子供たちを救う、神に殉ずる男を、このゲームでは描きます。

ところが当然、信仰心だけでは食べていけません。
貴方の手に触れた石がパンに変わることもなければ、水がワインになることもない。
貴方の養育施設には、良からぬ者から、良からぬ目的のため、高額で子供を引き取りたいという依頼も舞い込みます。
…子供たちを守るためには、子供たちを犠牲にしなければならない。
そんな苦しい矛盾が、この作品には描かれるのです。

さて、ではゲームを説明していきましょう。

施設を運営していくのに重要なのは、手持ちの子供たちの性格と、健康などのステータスになります。
少女たちの見た目は、運営していくうえでは重要ではありませんが、ランダムで決められたその少女たちの12種類の見た目に応じて、肉奴隷として売り飛ばしたときのHイベントが異なってきます。
Hイベントは、短いテキストとCG1枚+汁差分のみですが、どれも悲壮なもので、「かわいそうな少女」が好きな人にはたまらないものがあるとおもいます。

話を戻しますが、少女たちには上記のスクリーンショットの通り、健康と学習状況のグラフと、4つの方向に伸びたグラフになった性格を持っています。
スタッフによる教育や普段の食事により、健康や学習状態は上昇しますが、性格に関しては施設の設備や雇うスタッフの能力があっても改善は結構手間なので、引き取る少女を選ぶ余裕がある状態ならば、性格を重視して引き取った方がいいです。
かなり性格にも差があり、性格によっては勉強を放棄したり、そもそも施設を逃げ出してしまったりするためです。

毎月、様々な依頼が舞い込みます。
ただし、依頼は、達成するかキャンセルしない限りは枠に残り続けるため、無理そうな依頼は早めにキャンセルして枠を開けるのが必要です。
…それにしても、随分あくどい依頼ばかりが着てしまいました。こちらは健全な施設を目指したいのに困ったものです。
これらの依頼のバランスは、ランダムで発生する治安イベントにより左右されます。

スタッフは様々な能力を持っています。
調理・教育、が健康や技術・知力のステータスを伸ばし、保育、が性格改善に役立ちます。そのほか、病気を防いだり病気を治したりする衛生や医療などの能力、監視は施設のセキュリティを守ります。
これらの、ステータスやセキュリティに影響する数値は、施設に設備投資することでも上がっていきます。
スタッフは女性スタッフと男性スタッフがいますが、男性スタッフは性欲のステータスを持っており、これが高いと少女をレイプすることがあります。
レイプされた少女は心神喪失の状態となり、ランダムで発生する病気と同じような扱いになります。その状態だと、教育などの恩恵を受けられなくなりますので、医療技能を持つスタッフを雇ったり、施設に設備投資して医療レベルを上げていきましょう。

ただし、依頼を受けて里子に出したりはできてしまうので、こうなってしまった少女を回復させられないうちは、条件のヌルい依頼達成に向けて出してしまった方がいいかもしれません。
…コレラに感染した少女を里子に出す施設とかテロでは？？　とか思うけど、少女を肉奴隷として里子に欲しいとか言ったやつがコレラっても私は知りませんし？ｗｗ

ランダムで発生するイベントには様々な物があります。
国や町の人々からの寄付や、治安の悪化や良化、または病気の流行により施設の少女たちが病気になったりします。
病気は、健康の数値が低い子から感染するほか、衛生の数値が低いと大流行しますので注意が必要です。
施設が放火されたり、物取りが入ったりすることもありますが、こちらは「監視」レベルを上げることで防ぐことが出来ます。

善意で運営していこうとするとほぼ不可能なこのゲーム。
あっという間に金欠に陥ります。

だけど、悪事に手を出し過ぎたとたん、本当にあっという間に瓦解する、絶妙なバランスで成り立っています。
公式サイトに、「ランダムでミクロの変動はあれど、マクロには安定させることが可能」とあるのですがまさにそれで、様々な手を駆使することで、状況をいい状態で保つことは全然可能でもあります。
ただ…やっぱり1年目の4月(1ターン目)から盗みに入られたり病気の流行食らったりすると、おのれランダム要素…！とすべてを憎みたくなりますｗｗ

ゲーム期間は最大2年間。
エンディングは
・名声を一定値以上まで上げる
・ゲーム内で2年経過
・逮捕される(違法な行為を頻繁に行うと発生)
・所持金が0以下になる
の4種類。
名声一定以上が一応のハッピーエンドということになります。

それ以外はバッドエンドと言う扱いではありますが…いずれにせよどのエンディングも、主人公を知る人物から「主人公の男が周囲にどう見られていたか」と語られるのみであり、グッドらしくもバッドらしくもないように思います。
そこで語られる言葉はどれも重く、ずしりと言葉に残るものです。
男の悪事を知っていれば、男に感謝する女性の言葉はグサリと突き刺さるものであり、男の献身を知っていれば、男を下衆だと見下す人間の言葉を苦く思います。
だけどどれも間違いではなくて…、そういうものすべてをひっくるめて「人間」を描いている作品だと感じました。

ゲームシステムは、とにかく肉をそぎ落としたように簡素です。
キャラクターのパターンも、12種類の少女しかいません。
簡素すぎるという感想も見かけたほどですが、私はこの骨ばったような肉の削げたゲームが、無駄がなく美しいシルエットに見えて仕方ありません。
絵も決して巧みな技術で描かれたものではありません。
だけど、そこにはたしかに、道具にされたり、幸せに巣立った生きた少女たちと、それを見つめ続けた男がいた、と感じさせるのです。

繰り返しますが、人を選ぶゲームです。本当に、体験版でのプレイののちの購入をお勧めします。
だけど私はどうしてもこのゲームが好きです。
彼の苦しみを、どうか少しでも汲んで欲しいと思うのです。

◆攻略情報(私のやり方です)

このゲームに、あれこれと稚拙だというコメントも見かけました。
だけど絵やシステムの好みに関しては、体験版やサンプル画像で確認できることだし、どちらも用意されている中であえて買ってこの作品を叩くのなら、明らかに叩く方がおかしいでしょ。
実は、月日以外の制限が体験版にないため、運が良ければ体験版でもクリアできるらしいですｗｗ　私は製品版でもそこに至ることが出来ておりませんが…(一応体験版の期間＝1年間の間にクリアできるとオマケがあるらしいです。見たいので頑張ってるけど難しい…

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*画像はすべてアバラヤ「A martyr -ア・マーター-」より

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