【PS】アストロノーカ【エニックス】

あなたは小さな惑星へと、おてつだいロボット・ピートとともに入植した宇宙農家見習い。
野菜を交配しては、新しい野菜、より良い野菜を作り、強敵ばかりの野菜コンテストへと挑戦します。

目指すは伝説の野菜・アストロキング…!

このゲームは…?

農業ゲームのようでちょっと違う。
特殊な機械・交配マシンで種を合成してより、新種や優れた種を作り出すのと、害獣・バブーの駆除がメインのゲームです。
畑を耕したり、水をやったりなどの作業はなく、それはピート君というロボットがやってくれているという設定なので、農業ゲーを期待して買った人は肩透かしを食らったんじゃないかな。
なお、野菜は、家ほどにも大きくなったり、異臭を放ったり、象より重くなったりと育つので、ピート君のようなサポートロボットがいないと、ここでの農業は成り立たないかもしれませんねw
人間の力じゃ無理だ!
とはいえピート君も小型のロボットですし、どうやって農耕を行っているのかは謎です。
それともあくまでも「家より大きい」のも野菜の称号でしかなくて、実際はそんなに大きくないのかな。じゃないと宇宙バスにも乗せられないもんねぇ…

システム

交配マシンと野菜

ゲームの基本は、交配マシンで種を二つ選んで交配し、新種の野菜を作り出すこと。
野菜にはメンデルという数値が設定されており、それの組み合わせ結果によって、よりレアな野菜が作られていくという形です。
雇えばメンデル2のシマイモとメンデル4の星カブを合成すると、メンデル6の腰かけレンコンが出来る…という具合です。
新しく作られた野菜には、組み合わせる前の野菜のステータスが引き継がれるため、それを利用していきなり高いステータスの野菜を作るのもいいですね。
登場する野菜はどれもユニークな見た目をしているため、何ができるのかワクワクして楽しいものです。
ただし、どんどん作るのが難しくなるのはお約束…。

野菜のステータスは、例えばシマイモは重さのステータスが、星カブは大きさのステータスが変化するように設定されているので、シマイモとシマイモを交配すると重さが、星カブと星カブを交配すると大きさが変動していきます。重くなったり軽くなったり、大きくなったり小さくなったり。
そうやって、より優秀な重さのもの、大きさのものを目指していきます。
ほかにもステータスとしては、柄や栄養、香りや食感などがあります。
ただし単純に優秀なステータスを目指すだけではダメで、実は悪いステータスを目指したほうが高値で売れることがあったり(ゲテモノ食いの人が多いの…?)、または特定の状態の野菜を欲しがる町の人がいたり、状態の悪さが評価にかかわるコンクールがあったりと、様々な状態の野菜を育てないとダメだったりします。難しいですね。
そのくせ持てる種の量が結構少ないんだよなあ(愚痴

とにかくこの交配マシンでの種の選別が大変で、交配結果をリセットするためのLキーRキーが酷使されまくります。
私のPSVITA、Lキーが壊れてたんですけど、VITAでもアストロノーカをやっていたので、種の選別のし過ぎなんじゃないかと見ています。
交配マシンでいい種が作れたら、畑に植えます。一定の日数で収穫可能になり(このタイミングで収穫すると評価が高いです)、そこからさらに日数を置き最大まで育ったところで収穫すると、種が3つ取れます。
これを繰り返して、より優れた野菜を作っていく、というのがこのゲームです。

畑とトラップバトル

このゲームの畑画面でやることは「野菜を植える」と「野菜を収穫する」のみです。
一般的な農業ゲーにある「水やり」「草むしり」などは完全にオミットされており、そこはロボットのピート君が手伝ってくれているという設定です。いっそ潔いですね。

しかしこのゲームの畑の管理を厄介にしているもの… それこそが害獣バブーです。
バブーはどこからともなく現れ、庭を通って畑に侵入して、複数ある畑のうち、畑1から順番に野菜をいためつけていきます(畑1のほうが奥にあるのに!?)。
そこで庭にトラップを設置し、バブーを撃退します。

このトラップバトル、このゲームのキモの一つではあるのですが、いささかバランスが悪いです。
その前にトラップとバブーの進化について説明すると…
・各種トラップを設置すると、そのトラップに対してバブーが反応をして撃退可能
・ただしトラップの種類に応じてそれぞれ耐性がついて行ってしまう(進化する)
・例えば落とし穴を多用するとジャンプ力がつく、扇風機を多用すると重くなる、など。
・進化してしまった場合、そのトラップをしばらく使わないと耐性が失われていく
という感じなのですが、それだけ見ると「なるほどこまめにトラップの配置を変えるようにしていけばバブーの進化に対応可能なんだな!」と思えますよね。
でも実は、バブーの進化のほうが、退化よりもずっと早く、つまりいずれ「どのトラップも通用しない最強バブー」が登場することになるんです…

ここ、たぶん開発も想定外のバランスになってしまったんじゃないのかなと思っています。テストプレイ繰り返しているとユーザー向けのバランスがわかんなくなっちゃう現象で。
トラップバトルを楽しむ、なんてもんじゃない。
中盤以降は、完全に、何もトラップを設置せずに、バブーが退化するのを待つだけです。
正直、このフェイズはだるかったですね…。畑1には不要な種を植えまくって、収穫を期待せずに放置するだけですし。
腹いせに栄養価を改悪して毒物化させた野菜を畑1に植えまくっています。毒物耐性がつくぞ。余計に最強生物にさせてどうするんだ。

っていうかバブー捕まえても逃がすんですよね、このゲーム。良い子のためのゲームだし、バブーにXXXなことはできないのかもしれませんが、そこで逃がすから、より育ったバブーになって帰ってきちゃうんだろうがよおおおお!!!ってなる。
というかなった。
羽の生えた重量級バブー(キック力も最強)ってどうしたらいいんだよ…!

なんかもう中盤以降は本当に畑1をバブーに食わせるデコイにしてほかの野菜を守るようなゲームになります。
こうなるともうトラップバトルフェイズが面倒で不要なフェイズになるだけです。しかも野菜食われるし。でも対処のしようがなくなるんよ。
それでもたまに畑2まで侵入してくるので、改良中の野菜が悲惨な目にあうことも。
羽が一度生えてしまうと、もう羽が取れることはないので、どんなに体重を重くしても軽くしてもどうしようもなくなります。とりあえず落とし穴は効かない。ほかのトラップも回避されたり、体重があるから乗っただけで壊れたりして、マジでどうしようもない。
この羽が取れない現象、バグじゃないかと疑っています… だって羽生えちゃうとあんまりにもバランスが崩れるじゃん…

ちなみにバブー、祝日や週末には現れません。カレンダー通りに現れます。
そんな感じでバブーもカレンダー通りに動いているっていうのに、農夫には休みはありません。いやバブーが来ないってだけで充分楽ではあるんだけどさ…
日曜祝日以外はランダムに現れますが、体感で月曜日には現れないことが多い気がします。バブーも月曜日の出勤は憂鬱なのかな。

種や野菜、めちゃくちゃ膨大な種類があるので、どうしても持ちきれない状態になってしまいます。いっぱいで収穫できませんでした、となります。
本当に組み合わせで生み出される野菜および種の数はハンパではないため、それも仕方がないとは思うのですが、せめて、後々使う種は倉庫内でお気に入り★にできて、それは纏め売りの時に売られないような機能が欲しかったです…
ゲーム中盤も過ぎると、かなり要求の厳しいコンテストもあるので、そのための下準備が半端なく大変なんですが、必要な種を間違えて売っちまった日にゃあ…!
種の改良には時間がかかるというのに…!

コンクール

このゲームを単調にしない要素として、コンクールの存在があります。
ゲームの最終目標は、伝説の野菜「アストロキング」を育て上げることになりますが、その手前の小目標として、コンクールでの勝利があります。
アストロキングを作るために野菜の交配を繰り返す傍らで、コンクール用の野菜を作っていくわけですね。
コンクールは、普通に改良を加えるだけではなかなか優勝できないような、ヒネったお題で審査されることも度々あります。
それでも優勝を重ねていくのは、新しい街へ出かけたりするための大きな一歩。積極的にコンクールでの優勝を狙いましょう。

ただそんなことやってると畑が4つじゃ足りないんだよなあ… 1つの畑に対して6つの野菜を植えられるので、合計24個の野菜を育てていくことが出来るのですが、バブーの襲撃のことを考えると、1枚目の畑はほぼ見捨てることになるので、結局18か所で野菜を育てるハメになります。
足りねぇー!! コンクールのために改良していったり、すでに持っている野菜の種も何かと使うことで多少は持っていたいしから増やしたいし、とか考えると、マジ足りねぇー!!
種や野菜の所持数制限も結構きついし、なかなかに厳しいゲームです。
せめて30か所くらい、植える場所があれば足りたのかもしれませんが…24か所、実質18か所じゃ全然足りないよ…

アストロネット

このゲームのもうひとつ面白い点は、アストロネットというちょっとしたネット掲示板のようなものがにぎわっているところです。
ゲームの進行具合に応じ、コンテストの結果を通知してくれたり(プレイヤーの行動によっては内容が変わってきます)、ライバルから挑戦状が届いたり、バブーとトラップについてみんなでワイワイ話したり、野菜の情報を確認したり…と、こちらからの発信はできず受信のみですが、個性的なメンツでにぎわう掲示板は見るだけでも楽しく、新着を楽しみにしてしまいます。
スレッド掲示板風の作りはなんだか時代を感じますね。
ただなかなかクリアできずにいると、掲示板は徐々にさみしくなっていきます。うーん…

登場人物

主人公の相棒の農業おてつだいロボット・ピート君が可愛いのはもちろん(特定の日に話しかけたときの固定のセリフも見逃せない!)、サポートしてくれる商人のペドロ(ニンジンが好き、という素朴な情報がいいw)、生き生きとしたな町の人々、アストロネットの掲示板でわいわい話す人たち、独特なテンポで話すコールテン博士、挑戦的なメッセージを送ってくるライバルキャラなど、全体的なセリフ量が少ないながらもキャラクターの特徴が際立っています。

特筆すべきは、ライバルの一人「アブトゥル・ドゥバ・ドバド」氏です。
彼はゴボウ玉という野菜の魅力に取りつかれており、ゴボウ玉を愛するがあまりに、すべてのコンテストにゴボウ玉で挑戦しては当然のごとく惨敗。さらにはゴボウ玉の素晴らしさをアストロネットで綴ることも。
完全にネタキャラではありますが、ライバルキャラの中でひときわ目立つキャラであることは間違いありません。
しかし逆に言えば、彼はゴボウ玉がテーマのコンテストでは強力なライバルになると言えます。…この時しか輝かないけどね!

音楽と効果音

耳に残るサウンドがとてもきもちいい。
場面によってくるくると印象の変わる曲ばかりですが、どれもいい曲。
私はコールテン研究所の曲が好きです。
効果音もいい感じで、しつこく何度も聞く羽目になる交配時の選択音なども、可愛い雰囲気の音がセレクトされているのでうんざりすることになりません。
がんばれ森川君二号も同じくムームーの製作ですが、同じなだけあって、曲のノリは少し似ている気がします。あちらもいい曲ばかりですね。うちのPITは気分によって自分で変更する音楽を鬱曲にばかりしていましたが。何が不満だというんですか。

ちなみにこのゲームのサントラは記事執筆現在で45000円です。嘘だろ承太郎。良曲過ぎたんや…。

グラフィック

ローポリでかわいらしく、そしてユニークさがあるデザインで統一されています。
顔の出る人間らしいキャラクターというのがほぼいないのもあり(主人公やライバルたちは宇宙服だし他はロボットなどもいるし)ポップさを感じる雰囲気になっていると思います。
今見るとややチープさは感じるかもしれませんが、当時のポリゴンゲームとしては平均よりちょっと上くらいだと思います。
野菜や種もしっかり観察すると楽しいです。
交配の具合により、いい柄や形状を作り出すと、それに応じてデザインが変わっていくのもまた面白いところですし、作物の大きさを変更する要素もポリゴンならではだと思います。

ちなみに上の画像はバブーが野菜をもぐもぐしているところ。
バブーコロすべし慈悲はない。

最後に

ヒット作の「スターオーシャンセカンドストーリー」に体験版が入っていたので、そちらも含め、遊んだことがある人は結構多いんじゃないかな?
私も体験版から入ったクチです。

しかしこれもヘンなゲームよね…
面白いのだけど、農業ゲームかと思った人はホントびっくりしたと思う。種を交配して新たな種を生み出しつつ、変な生き物をワナにはめて追い返すゲームなんだものw
っていうかバブー君さぁ… めちゃくちゃ猛毒な野菜食って大丈夫なんか…お前…?

駿河屋

*画像はすべてエニックス「アストロノーカ」より

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