【Win】Kanon ~Standard Edition~【Key】*R18

突如両親の海外転勤が決まってしまい、日本に留まるために一人暮らしを提案した主人公・祐一だったが、あえなくそれは却下されてしまう。
そこで、母の妹、つまり祐一の伯母のところに居候することになり、昔過ごした町へと7年ぶりへと帰ることになった。

再会したのは従妹である名雪。
そして出会う、5人の少女たち。
思い出の残るこの雪の町で、祐一はどのような物語を紡ぐのか。


正直、文体が合わなかったのかクリアまで結構きつかった…
ギャグなども寒くない程度に組み込まれていてユニークなテキストなのですが、何が合わなかったのかしら。
もしかすると、学校への「登校~授業」をあまり省略せず、登校シーンと放課後になるシーンをほぼ毎日描写するため、冗長に感じたのかもしれません。
なのでちょっと辛口のレビューとなります。ファンの方ごめんなさい。

これくらいの時期に発売されたゲームにしては背景の書き込みが美しいと感じました。
モブキャラがいる画面はちょっとクオリティが低いかなーとも思いましたが、雪の被った学校校舎や自宅の玄関などは何度も目にするだけあってかなり印象深かったです。

一方でキャラクターグラフィックは、シーンによって同じキャラでも顔が異なっていたり、デッサンが危うかったりするのはやや残念ですね。
通常会話シーンでも、服が異なると体系が変化したりすることがありますし、角度によって顔が違ってきます。イベントスチルになるとそれが顕著になります。
「いたる絵」と言われて親しまれてもいるようですが、いくつかのシーンではどうしても気になるものがありました。

Hシーンは各キャラ1度ですが、重要なタイミングで挿入され、「この女の子が好きだ」という気持ちが盛り上がりますね。
CG枚数もある程度割いており、3~4枚ほどで展開されます。
ただ基本的に差分などはないのでちょっと物足りなさも感じます。
あとモザイク範囲が広いのが惜しいなぁ…足の方までモザイクかかってたり。
実用性は全くありませんし、Hシーンをなくしてもゲームとして成り立つのは、全年齢版が出たことからも明らかですが。

主人公が公衆電話を使っていたり、ビデオを使っていたりと、時代を感じましたね…
確かに1999年ってまぁ…ガラケーもまだそこまで普及してなかったし、録画ってビデオテープだったよなあと…

テキスト総量もCG枚数も多く、ベスト盤にしてもぶっちゃけお買い得すぎると思います。
泣きゲーブームの火付け役ですし、入手も難しくないので、試しにプレイしてみてもいいんじゃないかなあ。
奇跡が起きる展開が苦手なので個人的には合わなかったんですけど、もしあなたが「奇跡」を肯定できるなら、いいゲームなんじゃないかな、って思いました。

ただテキストの改行位置はもうちょっと意識して欲しかったですね…
閉じカッコが改行の先にあるの普通に見づらいしかっこ悪いよぅ。

◆キャラクター紹介&各シナリオ感想
【祐一】
主人公。ただしキャラクターとしてかなり立っているので、こちらはあまり感情移入できない部分があります。
あくまでも自己投影する相手ではなく「祐一」という一人のキャラクターが織りなす恋愛ものとして、ゲームをプレイしていくのがいいかなと言う感じ。
7年前の冬に少しの間名雪の家に滞在し、その間に何か大切なことがあったような気がするが、記憶がかすかにしか思い出せずにいます。

が、その記憶に関わるひとりのキャラクターのルートでは、あえて記憶に蓋をしていたことが判明します。でも名雪の事は覚えてやってあげてよ…可哀そうだよ…

【名雪】
主人公のいとこで同居人の一人。とても寝起きの悪い少女、という点でとても特徴があります。
なのですが実は結構活発で、陸上部の部長なんかをやっていたり。
シナリオは、メインヒロインだけあってとてもスタンダード。純粋に良いお話だと受け止められました。

でも普通母親が死にかかってたら、たとえ面会謝絶でも引きこもってないで見舞いに行くと思う…その点はちょっとどうなのかなと。

あと秋子さんマジで何者なんだ。なるとを自作する主婦って初めて聞いたぞw しかもあれだけの家を維持できてるしいったいどんな仕事をしているのやら。真琴ルートでは昼間に真琴の世話をしているシーンがあったため、在宅勤務の可能性もある…技術職なのかな。
イチゴサンデーは840円(850円だっけ?)で、祐一が「それくらいならお安い御用だ」と何度か奢っているのですが、いや学生にその値段は高いだろー?と思った記憶。しかもあゆへのたいやきやら真琴への肉まんやら、餌付け体質なんですよね。全然安くないよ、私でも躊躇するよ…

【あゆ】
たいやき泥棒を働いているところにエンカウントするという、うぐぅ少女。ボクっ子でもあるという特徴が多い子。
うぐぅが口癖なんですが、うちの猫もよく「うぐっ」みたいな声を出すのであんな感じなのかしら。

実は半分幽霊みたいな子で、本体は意識不明状態で眠っている。一体どういうことなのかはわかりませんが、実体のある状態でうろうろしてはたいやき泥棒するはた迷惑な子。まぁたいやき泥棒もそんなに毎回やらかしてたわけじゃないのですが、インパクトあるから結構記憶に残るぞたいやき泥棒。

ラストはめでたしめでたし見たいな感じでかわいかったです。探し物の人形へのお願い事もうまくストーリーに絡んでいたと思うし、そこからエンディングへ行く流れがすごく好き。

タイトル画面にある樹は、あゆの登っていた樹なんじゃないかと思うし、他のキャラとのエピローグ付近にも結構割り込んでくるし、主張の激しい子でもあります。まぁ名雪と同じで7年前を一緒に過ごしたメインヒロインの一人だし多少はね?

あとおっぱい小さいって言われてるけどそうでもないよね…w

【真琴】
正直、全く感情移入できなかったルートです。
毎夜毎夜子供っぽいいたずらを繰り返し、祐一だけではなく、居候先の名雪や秋子さんまでに迷惑をかけているし、情緒も不安定な子供なのが真琴。まぁそれには理由があるにしても、イライラさせられる部分の方が大きかったです。
真琴ルートに入ると、祐一も真琴もお互い態度が軟化するんですが、その変化もなんか唐突だった印象。

それと猫のぴろの扱いが悪いです。完全に真琴の情緒を成長させるための小道具としてしか扱われておらず、猫としてキャラクターとして「生きている」感じが全くしないのが、猫好きとしても許せない要素ですね。拾ってきた経緯についても、さすがにトラックの荷台に乗って流された一匹の子猫を見つけ出してくる、なんて無茶がありすぎるし…。ファンタジー色の強いルートですが、それにしてもなあ。
あとこの猫ワープしてるよね…ドアが閉まっているのに祐一の部屋に急に現れたり、急にいなくなったり。正直、真琴の死因ってぴろだよね。

【舞】
深夜に学校で「魔物」を追っている少女。一番ファンタジー色が強いルートです。
無口でとっつきにくいけれど優しい子で、佐祐理さんとセットでいいコンビでとてもかわいいです。
ただ野犬に餌付けするのは駄目だろうと思うw

しかしなんであの状態から蘇生したのかが一切書かれていないので、エピローグで「なんで生きてるし!?」ってなった。まぁそれが舞の能力によるものなのかもしれませんが… っていうか自分の腹に剣をブッ刺した理由もよくわからんよね…
というか、祐一は7年前より以前にもこの町に来ていたんですね…なんかそのあたりについて今まで一切触れられずに、急に10年前の話が始まったから唐突に感じました。

アクションは見えない敵を相手に戦っている姿が緊迫感あるテキストでよかったです。祐一も頑張ってたし。

【佐祐理】
舞の親友で、何もかもわかり合った関係。
舞ルートの途中で分岐し、ほんのちょっぴりの短いシナリオが描かれます。
なおえっちしーんはなく、舞ルートに入った後に、祐一が妄想でちょっとえっちなことを考えた時のワンシーンのみという控えめな脱衣っぷり。
佐祐理ルートで語られるシナリオは悲しいエピソードですが、少しずつ前向きになろうとする佐祐理が良かったですね。
しかし本当に舞と親友なのがいいなあ… あと結構周囲を気にしないお嬢様っぷりを発揮するのも好きですw

【栞】
風邪により学校を長期休学している少女。

実は重病であり、余命宣告を受けている…と泣きゲーにはありがちな設定の少女である。

冬だと言うのにアイスをパクパク食べているという変わった少女。口調は「嫌いです」を多用するのに、顔では全然嫌ってないところが可愛い。

この子のエンディングが一番納得がいかない…そもそも加奈~いもうと~でも思ったんですが、本気で死にかかって家族も諦めて医者からも余命宣告されている少女が、けろりと病気が治って元気いっぱいになるとか、当人が言っている通り、本当に奇跡でも起きない限りありえないですよ。なのになんかあっさり奇跡が起きちゃってる感じが好きじゃないんですよね。病名を明かさないのも、そこら辺をごまかすためなのかなと捉えてしまえるのでなんか… 加奈でも、加奈が死んじゃってノートを残すエンディングが一番好きなんですよw 私がひねくれ者なのかしら。

でも栞は口癖含めてすごいかわいいんですよね…くそう、どうも嫌いにはなれない…

【香里】
攻略対象ヒロインではないですが、結構お気に入りのキャラなので。
名雪の親友であり、栞の姉。

栞が重病だと知り、失うことに耐え切れないために「自分には妹はいない」と言い聞かせるという荒療治で自分をごまかしてきました。
栞ルートは香里の心を解放してやるルートでもあるんですよね。
仲のいい姉妹に戻れたんだろうなあと思うとほっこりします。

あと結構人がいいよね…あゆルートでは、祐一の「このあたりの木の根元に埋まってる瓶を探してくれ」なんてわけわかんないお願い事を聞いてくれるし…

以上です。ネタバレ部分はアコーディオンボックスを多用していますのでクリックで読んでください。


Kanonが出た時、私はまだ未成年(中学生)だったんですけど、とてもかわいい絵のゲームが出たと言うことで話題になっていたのを覚えています。
その後全年齢版が出て、そのとき話題にしていた同級生なんかがPSかなんかで買ってたな―、懐かしいですね。

今回やっと全員クリアして、やっとそのころの自分の想いを晴らしたような気もします。

しかし冬に攻略始めたのに、レビューは春になっちゃったよ…冬が舞台のゲームなのになあw

駿河屋

*画像はすべてKey「Kanon ~Standard Edition~」より

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