突如両親の海外転勤が決まってしまい、日本に留まるために一人暮らしを提案した主人公・祐一だったが、あえなくそれは却下されてしまう。
そこで、母の妹、つまり祐一の伯母のところに居候することになり、昔過ごした町へと7年ぶりへと帰ることになった。
再会したのは従妹である名雪。
そして出会う、5人の少女たち。
思い出の残るこの雪の町で、祐一はどのような物語を紡ぐのか。
正直、文体が合わなかったのかクリアまで結構きつかった…
ギャグなども寒くない程度に組み込まれていてユニークなテキストなのですが、何が合わなかったのかしら。
もしかすると、学校への「登校~授業」をあまり省略せず、登校シーンと放課後になるシーンをほぼ毎日描写するため、冗長に感じたのかもしれません。
なのでちょっと辛口のレビューとなります。ファンの方ごめんなさい。
これくらいの時期に発売されたゲームにしては背景の書き込みが美しいと感じました。
モブキャラがいる画面はちょっとクオリティが低いかなーとも思いましたが、雪の被った学校校舎や自宅の玄関などは何度も目にするだけあってかなり印象深かったです。
一方でキャラクターグラフィックは、シーンによって同じキャラでも顔が異なっていたり、デッサンが危うかったりするのはやや残念ですね。
通常会話シーンでも、服が異なると体系が変化したりすることがありますし、角度によって顔が違ってきます。イベントスチルになるとそれが顕著になります。
「いたる絵」と言われて親しまれてもいるようですが、いくつかのシーンではどうしても気になるものがありました。
Hシーンは各キャラ1度ですが、重要なタイミングで挿入され、「この女の子が好きだ」という気持ちが盛り上がりますね。
CG枚数もある程度割いており、3~4枚ほどで展開されます。
ただ基本的に差分などはないのでちょっと物足りなさも感じます。
あとモザイク範囲が広いのが惜しいなぁ…足の方までモザイクかかってたり。
実用性は全くありませんし、Hシーンをなくしてもゲームとして成り立つのは、全年齢版が出たことからも明らかですが。
主人公が公衆電話を使っていたり、ビデオを使っていたりと、時代を感じましたね…
確かに1999年ってまぁ…ガラケーもまだそこまで普及してなかったし、録画ってビデオテープだったよなあと…
テキスト総量もCG枚数も多く、ベスト盤にしてもぶっちゃけお買い得すぎると思います。
泣きゲーブームの火付け役ですし、入手も難しくないので、試しにプレイしてみてもいいんじゃないかなあ。
奇跡が起きる展開が苦手なので個人的には合わなかったんですけど、もしあなたが「奇跡」を肯定できるなら、いいゲームなんじゃないかな、って思いました。
ただテキストの改行位置はもうちょっと意識して欲しかったですね…
閉じカッコが改行の先にあるの普通に見づらいしかっこ悪いよぅ。
◆キャラクター紹介&各シナリオ感想
【祐一】
主人公。ただしキャラクターとしてかなり立っているので、こちらはあまり感情移入できない部分があります。
あくまでも自己投影する相手ではなく「祐一」という一人のキャラクターが織りなす恋愛ものとして、ゲームをプレイしていくのがいいかなと言う感じ。
7年前の冬に少しの間名雪の家に滞在し、その間に何か大切なことがあったような気がするが、記憶がかすかにしか思い出せずにいます。
【名雪】
主人公のいとこで同居人の一人。とても寝起きの悪い少女、という点でとても特徴があります。
なのですが実は結構活発で、陸上部の部長なんかをやっていたり。
シナリオは、メインヒロインだけあってとてもスタンダード。純粋に良いお話だと受け止められました。
あと秋子さんマジで何者なんだ。なるとを自作する主婦って初めて聞いたぞw しかもあれだけの家を維持できてるしいったいどんな仕事をしているのやら。真琴ルートでは昼間に真琴の世話をしているシーンがあったため、在宅勤務の可能性もある…技術職なのかな。
イチゴサンデーは840円(850円だっけ?)で、祐一が「それくらいならお安い御用だ」と何度か奢っているのですが、いや学生にその値段は高いだろー?と思った記憶。しかもあゆへのたいやきやら真琴への肉まんやら、餌付け体質なんですよね。全然安くないよ、私でも躊躇するよ…
【あゆ】
たいやき泥棒を働いているところにエンカウントするという、うぐぅ少女。ボクっ子でもあるという特徴が多い子。
うぐぅが口癖なんですが、うちの猫もよく「うぐっ」みたいな声を出すのであんな感じなのかしら。
ラストはめでたしめでたし見たいな感じでかわいかったです。探し物の人形へのお願い事もうまくストーリーに絡んでいたと思うし、そこからエンディングへ行く流れがすごく好き。
あとおっぱい小さいって言われてるけどそうでもないよね…w
【真琴】
正直、全く感情移入できなかったルートです。
毎夜毎夜子供っぽいいたずらを繰り返し、祐一だけではなく、居候先の名雪や秋子さんまでに迷惑をかけているし、情緒も不安定な子供なのが真琴。まぁそれには理由があるにしても、イライラさせられる部分の方が大きかったです。
真琴ルートに入ると、祐一も真琴もお互い態度が軟化するんですが、その変化もなんか唐突だった印象。
あとこの猫ワープしてるよね…ドアが閉まっているのに祐一の部屋に急に現れたり、急にいなくなったり。正直、真琴の死因ってぴろだよね。
【舞】
深夜に学校で「魔物」を追っている少女。一番ファンタジー色が強いルートです。
無口でとっつきにくいけれど優しい子で、佐祐理さんとセットでいいコンビでとてもかわいいです。
ただ野犬に餌付けするのは駄目だろうと思うw
というか、祐一は7年前より以前にもこの町に来ていたんですね…なんかそのあたりについて今まで一切触れられずに、急に10年前の話が始まったから唐突に感じました。
アクションは見えない敵を相手に戦っている姿が緊迫感あるテキストでよかったです。祐一も頑張ってたし。
【佐祐理】
舞の親友で、何もかもわかり合った関係。
舞ルートの途中で分岐し、ほんのちょっぴりの短いシナリオが描かれます。
なおえっちしーんはなく、舞ルートに入った後に、祐一が妄想でちょっとえっちなことを考えた時のワンシーンのみという控えめな脱衣っぷり。
佐祐理ルートで語られるシナリオは悲しいエピソードですが、少しずつ前向きになろうとする佐祐理が良かったですね。
しかし本当に舞と親友なのがいいなあ… あと結構周囲を気にしないお嬢様っぷりを発揮するのも好きですw
冬だと言うのにアイスをパクパク食べているという変わった少女。口調は「嫌いです」を多用するのに、顔では全然嫌ってないところが可愛い。
でも栞は口癖含めてすごいかわいいんですよね…くそう、どうも嫌いにはなれない…
【香里】
攻略対象ヒロインではないですが、結構お気に入りのキャラなので。
名雪の親友であり、栞の姉。
栞ルートは香里の心を解放してやるルートでもあるんですよね。
仲のいい姉妹に戻れたんだろうなあと思うとほっこりします。
あと結構人がいいよね…あゆルートでは、祐一の「このあたりの木の根元に埋まってる瓶を探してくれ」なんてわけわかんないお願い事を聞いてくれるし…
以上です。ネタバレ部分はアコーディオンボックスを多用していますのでクリックで読んでください。
Kanonが出た時、私はまだ未成年(中学生)だったんですけど、とてもかわいい絵のゲームが出たと言うことで話題になっていたのを覚えています。
その後全年齢版が出て、そのとき話題にしていた同級生なんかがPSかなんかで買ってたな―、懐かしいですね。
今回やっと全員クリアして、やっとそのころの自分の想いを晴らしたような気もします。
しかし冬に攻略始めたのに、レビューは春になっちゃったよ…冬が舞台のゲームなのになあw
*画像はすべてKey「Kanon ~Standard Edition~」より
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