【Win】透色【アリスソフト】*R18

100年前の戦争の戦禍から逃れた町・衛蓮にて、新米医師・砂花は、狐憑きの病気について調査していました。
羽音という少女に憑いた狐・ユウヤミを筆頭に、町では性格の変わってしまう狐憑きの症状を持つ患者が増えていたのです。
恋をしたい、というユウヤミの願い、そして増えていく狐憑きの症状の人々…
砂花は問題を解決していくことが出来るのでしょうか。
そして、狐憑きの症状の正体とは…


ゲームは一般的なノベルAVGとなっており、選択肢によりゲームの展開が変わっていくタイプのシステムです。
ただし、選択肢は最初からすべてが出ているわけではなく、ゲームの進行具合により追加されていきます。
また、裏話やアナザーストーリーなどが読める「特設コーナー」の内容も、ゲームの進行具合で追加されます。

ヒロインは、お嬢様の羽音、狐憑きで羽音に憑いているユウヤミ、羽音付きのメイド秋着、騎士団の名斬、そして謎の男・鬱彦になります。
最初はユウヤミルートしか選べませんが、その後は比較的自由に選択できるようになります。

出てくるキャラクターは大体攻略できる感じですね。
そして鬱彦はヒロインと言うにはアレなんですが、男性向けゲームなことにも関わらず、なんとアダルトシーンありで攻略できてしまうのです。しかもCGつき!!
秋着さんなんてCGがないというのにw
一応、鬱彦ルートの前に選択肢が出て、ルートを解放するかどうか選べるので、BLシチュエーションが苦手な方でも安心できます。

全攻略に6時間程度の短編ゲームですが、キャラクターが生き生きしているので、それなりに楽しめました。
ひさとさんの描く女の子カワイイ… 柔らかな塗りも魅力的ですね。
ただし、やはり女性キャラクターは描き慣れていないのか、デッサン狂いが目につきました。ちょっと残念なところです。

背景CGは、魔女の贖罪から一部、また音楽はアリスブルー作品からをメインに再利用しています。
個人製作作品には、こういった素材バンクからの再利用が多いのですが、結構なじみのある作品からの流用は、嬉しいやら複雑やらでしたw

はちまんさんの書くテキストはかなり柔らかく秀逸。
特に、キャラクターたちが皆、恋愛に不慣れなため、自分の中に生まれた新しい感情に戸惑う様子を見せてくれ、それが実に丁寧に書かれているのです。
感情移入もたっぷりさせてくれて、こっちまで浮足立ってしまいました。どきどき。

このゲームの問題点の一つとして、視線誘導が出来ていない点でした。
通常のノベルゲームは、画面中央にキャラクター、画面下部にメッセージウィンドウが出ます。中央にキャラクターの顔が来ているため、キャラクターの表情の変化を自然に見て、そのうえでメッセージウィンドウを確認することが出来ます。

ところがこのゲームは、キャラクターが画面右に立ち、メッセージが画面左に出ています。
そのため、表情が変化してもいまいち気付きにくいのです。
せっかくひさとさんの可愛い絵なのでこれはちょっともったいなかったなと感じました。
イベントシーンは画面中央にメッセージが出るのですが、絵に差分があるわけではないので、こちらは視線誘導としてもあまり意味はなかったわけで。

うっちんとユウヤミさんがお気に入りでした。
でも裏設定はめちゃくちゃ中二病だよねぇー!!w
こういう設定は嫌いではないですが、単発のゲームとして終わってしまったのが本当に残念なところ。

二つ名を持って活躍するキャラクターたちのシーンも見たかったなぁ。
黒い着物を着て、返り血で着物をより黒く染めて立つユウヤミさんなんてメチャクチャかっこよさそう…。

このゲームでも残念なのは、はちまんさんが退社済みで、これもまた絶対に今後設定なども表に出そうにない所でしょうか。
はちまんさんは退社後にいろいろと炎上発言などもあり、残念に思っているところはあるのですが、この作品は本当にいい作品なのでぜひ遊んで欲しいです。
BLダメでも、ユウヤミさんルートだけでも見て欲しい!!

駿河屋

*記事内の画像はすべてアリスソフト「アリスの館7」収録「透色」より

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