【Win】ナルキッソス【ステージなな】

ナルキッソス【 ナルキッソス 】

2005年に、ステージななさんにより配布されたノベルゲーム。
突然の病気により、ホスピスで過ごすことになった主人公は、一人でテレビをぼんやりと見ている少女・セツミと出会い…

こちらはナルキッソス2と1つのセットになったものから、ナルキッソス(無印)を抜き出して扱っています。

合計100万ダウンロードを達成した名作ノベルシリーズです。
現在番外編を含み、5作が配布&配信中。なお、PSP版もあったりする。


免許を取って間もなく。
車に乗る機会もないまま、病気が見つかって入退院を繰り返し、いよいよホスピス…通称「7階」で過ごすことになった主人公。

ナルキッソス

そこでセツミという少女に、この7階の伝統を教えられる。
曰く、2回仮退院し、ここに戻ってきたら、3回目はない。もうそこまでだと覚悟すること…。
病院でも家でも死にたくないと願うセツミに、主人公は、親が忘れて行った車のキーを手に、セツミを病院から連れ出した。
行く当てもない、そして逃げ切ることもできない、そんな逃避行が始まった。

ぼんやりとテレビを見ていたセツミ。
つまらないといいながらも、ずっとテレビから目を離さないセツミと、会話らしい会話をしないまま、だけど一緒にテレビを眺めていた主人公。

ナルキッソスセツミの三回目の仮退院。
それはつまり、もう彼女の残り時間が僅かであると言うことを示しており…

車の鍵を手に入れた主人公は、ぼんやりとテレビを見ていたセツミへと声をかける。
「いっしょに行くか?」
「うん」
そして主人公は、セツミを誘い、外に連れ出す。
親父の自慢の銀のクーペに乗り。

ナルキッソスどこに行くのか、なんのあてもなく車を走らせる二人。
だけど二人が決めた目的地は…。

何もかも現実味を失った世界。
心を止め、目をつぶれば、世界は止まり…それでいいと思っていた。
だけど、この7階で死ぬのも、家で死ぬのも嫌。それだけははっきりしていた…
それはなんと悲しいことだったのか。
使い道のない知識を自分の中に貯め込んで、目を閉じて青い海を夢想するのはどんなにも切ないことだったのか。
セツミが服を選ぶシーンでは、とても22歳とは思えないような短いスカートを選んでいて、セツミがいくら知識を溜め込んでも、彼女の精神の時は止まったままだったんじゃないかと思わせて切なかったですね。
そして彼女の最後の決意は、泣きゲーでもほぼ泣いたことのない私でもかなりじんときました。

正直なところを言えば、「入院中の薬の管理は患者自身でやらないはず(数日分の薬が部屋にあるわけはない」とか、「薬屋の対応が甘い(処方箋もないのに薬を用意してしまう」とか、多少の違和感はありますが、まぁフィクションなので…
そのあたりを差っ引いてもいいシナリオだと思っています。

背景イラストが狭いスペースに入る以外はイラストもなく、主人公同然であるセツミの立ち絵すらなかったり、ボイスなしバージョンが収録されていたりと、「AVGにはイラストやボイスはいらないのではないか」という実験作なのも面白いですね。
実際は背景スチルが結構頻繁に変わるので、画像でのイメージの情報は十分読者に伝わってしまっているのですが。
そんなわけで、公式にはボイスなしが標準とされていますが、ボイスありだとエンディング直前の声が流れる演出が見事なので、ボイスありでプレイするのをお勧めします。

ナルキッソス今遊んでも名作だと思います。
無料配信されているゲームですし、入手できるうちにぜひ遊んで欲しいです。
(ナルキッソス2をDLすると、こちらのナルキッソスも遊べるようになっているという仕様です。ナルキッソス(無印、この作品)のみでの配布は現在はされていないので、単品を探さないよう、その点だけご注意ください(゚Д゚)ノ)

ステージなな

ちなみに今日はセツミちゃんの命日なのですね…うん…

*画像はすべてステージなな「ナルキッソス」より

クリックしてくれると励みになります。

にほんブログ村 にほんブログ村へ 

コメント

タイトルとURLをコピーしました